『DEAD END STREET』、漫画のタイトルにもなっているこの言葉を知っていますか?
自分のクルマを手に入れて乗りまわしてみたり、いろいろと手を加えたりして楽しんで、いつの間にか「ここまで来たら、もうこのクルマ売れないぞ」って感じたら、もう“行き止まり(=DEAD END)”に来たのも同然ですよね。
来るべきところに来たというか、見事にハマったというか、もう出るに出られない。しかしながら、そこからしかわからないことや楽しいことがあると思うんだよね。

それでも、あまり熱くなりすぎてまわりが見えなくならないように注意したいものです。
index  超軽量スポーツカーのリミットは760kg!!?
 軽さはとんでもない武器になる!!?
 軽いだけでは良いスポーツカーはなれない?!
 ホンダビート&HE゛AT SPRINTを忘れていませんか?!
 HE゛AT DRIVER流/スポーツカーの作り方?!
 
超軽量スポーツカーのリミットは760kg!!?
ホンダビートと超軽量スポーツカーを応援するHE゛AT DRIVERの“看板娘”ならぬ“看板クルマ”が、私の愛車であり相棒でもある『白いビート』です。
その名は、HE゙AT SPRINT(ビート・スプリント)と言います。

ショップの看板クルマなんていうと、すごい高性能なクルマを連想してしまいますが、残念ながらうちのクルマはたいしたことはないんです。見た目のとおり?!、個性と楽しさを“てんこ盛り”にしたようなスポーツカーですね。
いわゆる“スピードスター”のようなオープンオンリー・スタイルで、幌を含めた屋根どころかフロントガラスさえ無く、ボディ剛性は普通のビートの比ではありませんが、そのためにドアも開かなくなっています。ですから、乗るときはドア部分をまたいで乗ることになりますが、まあ「スーパーセブン」や「ロータス340R」も同じだから気になりませんよね。

とはいっても“今なお進化中!!”であり、公認車検が取れてスポーツカーとして乗ってはいるものの小さな部分では常に進化=深化しているんですよ。その製作の過程や仕上がり具合については、NEWSビートスプリント私の相棒のコーナーでもお伝えしていますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
このHE゛AT SPRINTの製作においては、仕事の合間に製作していることはもちろんのこと各部のメンテナンスやクリーニングをしながら“こだわり”つつ製作していますから、かなり時間を要してしまいました。それでも車検が取れて、再び公道復帰して普通に走れるようになっていますから、これからの楽しみは無限大ですね。

このクルマは先にお伝えしたとおり、かなり“スパルタンで軽量”に仕上がっています。
そのおかげで車重は652kg(2004.10.12測定)に収まっており、高いボディ剛性と相まってこれぞ“走る楽しさを追求した純粋なスポーツカー”を感じさせるクルマに仕上がっていますよ。
実際にこのクルマに乗ってみると誰もが驚くことでしょうが、何よりもドライビングする楽しさを感じさせてくれることと思います。(^_^)b


ちなみにHE゛AT DRIVERでは、『超軽量スポーツカー』の車重リミットをホンダビートの車重をベースとして800kgと考えていますが、普通のビートですと動力性能を考えるとちょっと車重が重すぎますよね

ですから不必要と思えるものはクルマから降ろして少しくらいは軽量化した方が良さそうですが、それでもボディ剛性は高い方が乗りやすく楽しいクルマに仕上がりますから、その部分での重量増加には大目に見ていただいた方が後悔しないと思いますよ。

ホンダビートはカタログの中ではスポーツカーではなく“アミューズメント”なんて呼ばれていましたが、私としては妙に軽く感じられる表現であまり好きではありませんでした。
しかしながら本当に楽しいクルマこそが“スポーツカー”であり、それこそが本当の『ミッドシップ・アミューズメント!』じゃないかなと今は思っています。

自分だけの“お気に入りのスポーツカー”として、いつまでも乗り続けたいクルマだと思いますね♪ [2009.02.27]
軽さはとんでもない武器になる!!?
現在の“ライトウェイトスポーツカー”と言えば、「トヨタ MR-S」や「マツダ ロードスター」などのj車重1000kg前後のスポーツカーあたりを連想するのが普通だと思いますが、それって本当にライトウェイトって言っていいんですかねぇ?
ちょっと考えさせられてしまう今日この頃です。

軽いクルマといえば、かつての人気コミック『サーキットの狼』で有名な「ロータス ヨーロッパ」を思い浮かべる方は少なくないと思います。
このクルマは1.6リットルのエンジンを搭載しながら車重730kgとかなり軽量で、当時の1.2リットルクラスの車重(「トヨタ スターレット」並み?!)だったのです。軽いといわれていた「トヨタ AE86」や「ホンダ CR-X」でさえ900kg前後ありましたから、「ロータス ヨーロッパ」は本当に軽いクルマだったんですよ。

パワーウェイトレシオがすべてというわけではありませんが、運動性能だけを考えると軽ければ軽いほど性能が高くなるわけですから、『サーキットの狼』の中で主人公/風吹祐矢の駆る「ロータス ヨーロッパ」が、ライバルのポルシェやランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカーと互角以上に戦うことができたのがうなづけますよね!!?
※現実にはそんなわけはありませんで、初代の「ランボルギーニ カウンタック」はコーナーでもとびきり速かったようです!!


左上写真の「ロータスヨーロッパ」は“シリーズS2”と呼ばれるクルマで、車重はさらに軽い670kgなんです。
このくらい軽い車重だったならば“軽さ”が驚くほどの武器になるのですが、現実の問題としてはちょっと難しいと思いますから、先の話に出た「ロータス ヨーロッパ」の730kgにこだわりたいと思います。
いまどきの軽四でも車重が800kgを超えていますから、車重が730kg以下の軽いクルマというのは本当に少ないですし、やっぱり魅力的です。

うちのクルマ「ホンダ ビート」が目指すのはこの730kgをさらに下回った“排気量と同じ数字の車重660kg”だったのですが、なんとかクリアできました。
私としては軽いに越したことはなくてもただ単に軽ければよいというわけではありませんので、必要十分な機能=性能を確保した上での重量であることが大切だと考えています。それはレースで勝つため等の軽さではなく、いつまでも乗り続けられるのに必要な軽さでもあるのです。

世の中にはいろいろな考え方がありますが、お小遣いにあまり余裕のない私たちには“高価な軽量合金・軽量素材製”のパーツが自由に買えるわけではありませんので、最低限の重量増加は覚悟しておかなければなりません。
そのうえでの無駄なものを省いくことを軽量化と考えて、チャレンジしていきたいものです。
「ロータス ヨーロッパ」の場合は、「ホンダ ビート」同様にパワーウインドウ付き(エアコンはありません)での車重ですから、ボディがすべてFRPでできているとはいえ本当にスゴイことだと思います。

もし仮に車重が500kg程度だったならば、たかが100PS(軽四ではターボでも使わなければ達成できませんが・・・)程度もあれば恐ろしくすごいクルマになってしまうほど、軽い車重はすごい武器になります。
左の画像の「ウェストフィールド FW400」は、その車重が400kg+αだといわれている“フェザーウェイト”のクルマですが、エンジンパワーも並外れていますからパフォーマンスは恐ろしいほどでしょう。ハイパワーなんて必要のない?!、超軽量を大幅に超える超々軽量スポーツカーですからねぇ。(笑)

私が以前に乗っていたフランス製のスーパーセブン?!「シュペール マルタン」は、2リットルのエンジンを搭載していたにもかかわらず100PS程度のパワーしかありませんでしたが、車重が670kgしかありませんでしたから、ものすごい性能を味わうことができました。
スーパーセブンとしては軽いとはいえませんが、オートバイのようなフィーリングと表現できるほどだったんですよ。

とはいうものの、軽ければそれだけで良いというわけではありませんから、そのあたりを誤解しないようにしてください。
「ロータス ヨーロッパ」の最大の武器は“運動性能”であり、それに貢献しているのが“軽さ”になっているわけですから、何よりもクルマ作りの方向を見誤らないように注意していただきたいと思います。

「ホンダ ビート」をベースとしたスポーツカーを楽しむためには、クルマを軽くすることよりも仕上げ方にこだわって欲しいと思います。
先にあげたスポーツカーたちを相手にしたならばパフォーマンスではとても敵いませんが、『ドライビングする楽しさ』で勝負するならば十分に太刀打ちできることと思いますよ♪ [2009.02.27]
軽いだけでは良いスポーツカーにはなれない?!
今時のクルマは本当に重くなったと思いますが、それにはいろいろな事情(特に安全性)がありますから仕方のないことかも知れません。
クルマがより安全な乗り物になるためには、重量増加はあきらめなければならない時代ですからね。

軽自動車についても同様のことがいえるわけで、今後はさらに重くなるのは避けられないと思います。
かつては重いといわれていたビートが今では軽量なクルマになりつつありますから、時代は変わっていくもんです。(笑)

車重が軽いということは、クルマの能力(動力性能や運動性能など)を考えるうえでは重要なポイントになります。
加速などの動力性能だけを考えるならばエンジンパワーを上げることでボディの重さを相殺することもできますが、コーナリングなどの運動性能やブレーキ性能などについてはボディが軽ければ軽いほど有利になるわけですから、スポーツカーとして考えるならばクルマは軽ければ軽いほどありがたいことになります。

とはいっても軽ければそれだけでいい?!・・・というわけではありません。スポーツカーにとって運動性能はとても大切な要素ですから、それを得るためには必要相当のボディ剛性が欲しくなります。

私の愛車HE゛AT SPRINTでは、私にとって必要ないと思えるものを一切取り外してしまって軽量化し、どんな走り方をしても壊れないボディを作るために高剛性化しています。なのでボディとしてだけならば“スポーツカーとしての理想のスタイル”に近いと思っていますが、快適性がまったく無いのが欠点です。
こんな風に“走ることを楽しむだけのオートバイのようなスポーツカー”にするようなことは他人にはおすすめしませんが、私と同じようにスポーツカーを好まれる方にはビートをもっと楽しんでもらいたいですね。
そのために必要なのが“ボディの剛性アップ”だと考えていますから、私は「マッスルフレーム」をおすすめしたいんです。

【マッスルフレームのすすめ】
「マッスルフレーム」シリーズは、ビートをスポーツカーとして楽しむために考えた補強フレームで、最も強く意識したのは私が大好きな「ロータス ヨーロッパ」のフレームワーク(右図)です。

フロントまわりがとても柔らかく作ってあるビートでは、まずフロントまわりの剛性を上げることを思い浮かべることでしょうが、どのように剛性アップさせるかでクルマの動きが変わってくることと思います。
私がやりたかったことは、フロントバルクヘッドまわりの剛性を上げて、さらにフロントフレームのねじれを抑えることで、より高いメカニカルグリップとレスポンスを作り出すことです。
それによってシャープなハンドリングとともに、しっかりとした安定したスタビリティが得られるものと考えていますが、これだけを施したのでは滑りやすい路面などでは逆にコントロール不能になるので注意が必要です。

そこでリヤまわりの剛性アップの必要性が出てくるわけですが、高めたフロントまわりの剛性とバランスが取れるような補強を施すことが大切になります。『パーツ工房』でラインナップしてい《おすすめセット》がそれで、言うなれば“フロント剛性を上げるためにリヤ剛性を上げる”ような形になりますが、コントロール性を重視したうえで、乗り手の好みに合わせたセットアップを施して欲しいと思っています。

前後セクションの補強さえ終えていれば、たいていの方には満足していただけることと思っていますが、さらにボディ剛性を求められる方にはコクピットフロアの補強にも関心を持っていただきたいと思いますね。
そこでおすすめしたいのが「マッスルフレームC1」で、先にあげた「ロータス ヨーロッパ」のフレームワークのようにボディの前後をつなぐセンタートンネル部分を効果的に補強して、ただ単にボディを固くするのではなく“しなやかな強さ”を持たせることを目指したフレームなんですよ。
あくまでもスポーツカーとしての走りを楽しむために作ったフレームの1つで、ストリートでの走行を考えているだけならばこの程度で十分だと考えていますが、ハイグリップタイヤを履かせてサーキット走行を楽しもうと思っているならば、より高いフロアの剛性が欲しくなることでしょうから、その際には「マッスルフレームC2」を追加していただきたいと考えています。


せっかくのミッドシップのビートですから、ぜひともスポーツカーとして楽しんでいただきたいと思っています。
しかしながらクルマが軽いだけではその運動性能を発揮させることは難しいと思いますし、ハイグリップタイヤを履けば曲がるクルマに変身しますがそれだけではクルマ(ボディ)が悲鳴を上げてしまいますから可愛そうです。
コントロール性が高く、そのうえ安心してアクセルを踏み込めるスポーツーに変えるためには、何よりも“高いボディ剛性”を持たせることが必要だと私は考えます。どんな方法でボディ剛性をアップされても楽しくなることは間違いありませんが、その走り方や乗り方にあったセットアップを心掛けていただきたいと思いますね。

そして忘れてはいけないこととして、ボディ剛性が高くなれば“ホンダが作ったオリジナルのビート”ではなくなり、“あなたのオリジナル仕様のビート”に変わってしまいますから、そのこと(別のクルマ=スポーツカーになってしまうこと)をきちんと受け止めていただいて、そのうえで楽しんでいただきたいと思います♪[2009.02.27]
ホンダ ビート & HE゙AT SPRINT を忘れていませんか?!
「フィアット X1/9」は“オレ達のフェラーリだ!!”・・・、なんていうことを自動車雑誌の記事に書いていた有名なジャーナリストさんを知っていますが、それと同じ視点で見ると“「ホンダ ビート」も最高のスポーツカーである”と誉めてくれていました。
そのジャーナリストさんにとっての理想のスポーツカーの1台が「ロータス ヨーロッパ」で、“ライトウェイト&ミッドシップ・スポーツの原点”だとも書かれていたのですが、そのとおりかも知れませんね。

私も「ロータス ヨーロッパ」は大好きなクルマなので異論はありませんので、ここで「ロータス ヨーロッパ」について少し紹介したいと思います。

全長4000mm×全幅1638mm×全高1080mmで、車重730kgという軽量なボディに、エンジンを縦置きミッドシップにしたレイアウトを持っている『ロータス』製のスポーツカーです。
「ロータス セブン」の後継車として登場し、「ロータス エスプリ」の源泉と評されるクルマで、軽量スポーツカーの楽しさや速さを知らしめたスポーツカーの1台であり、私と同年代の方にとっては漫画【サーキットの狼】に登場した憧れのクルマです。
小さく・軽く・低く、そして美しいスタイリングは、まさにスポーツカーを感じさせるクルマだと思います。

「ロータス ヨーロッパ」の魅力はたくさんありますが、何よりもスポーツカーとして潔く作られた車体レイアウトにあります。
ドライバーの着座位置が床面ギリギリなこともさることながら、運転席のすぐ後にある重いエンジンが“後輪車軸の中心から離れた位置に積まれているところ”がすごいところなんですよ。
そのうえ、エンジンの中でも最も重いクランクシャフトがドライバーの腰位置よりも低いところにあるということですから、その重心の位置は理想的であり、まさに徹底した運動性能への追及がうかがえます。

その結果として『ロータス』自慢のハンドリングと相まって高い運動性能を発揮するわけですが、積まれているエンジンはスポーツカーとしては非力な部類(最終型ではDOHC1.6リットル/126PS)になっていますが、車重が軽いからこそ十分な加速と速さを発揮していたんです。
エンジンパワーではなく、走り=コーナーリングを楽しむことを最優先したスポーツカーといえますが、その販売価格がリーズナブルなものであったことを考えると庶民のためのスポーツカーでもありますね。


私たちの乗る「ホンダ ビート」だって負けてはいませんで、チューニングさえ施せば「ロータス ヨーロッパ」にさえ負けない魅力を持つスポーツカーになると思います。
全長3295mm×全幅1395mm×全高1175mmで、車重760kgと少し重めではありますが、今となってはそれほど重いとはいえませんよね。
さらに『ホンダ』が手がけたからこそできた横置きエンジンのミッドシップレイアウトを持っていて、スポーツカーとしての運動性能を最優先したかのようなレイアウトは私たちにとっては嬉しい限りです。

しかしながらオープンカーとしたことで車重が大きく増えてしまい、あえて純粋なスポーツカーという位置づけにしないことで売上げ拡大を狙っているわけですから、どこまでいっても純粋なスポーツカーとは言えません。
このあたりは日本車の宿命的なものを感じますが、仕方ありません。

「ホンダ ビート」の魅力の1つとして大きく評価できるのがそのエンジンの搭載位置で、大きく前傾していることで結果的に重心を前方へ・下方へ持っていくことができたのがわかります。
これはミッドシップ・スポーツカーに適したエンジンレイアウトになるのですが、もともと「ホンダ アクティ」というトラック&バンに搭載されていたスタイルが上手く活かされていて、こんなところにも『ホンダ』の技術力の高さを感じることができます。

また軽自動車の規格のおかげでオーバーハングを短く作らざるを得なったこともメリットと考えることができ、それによって運動性能が向上していることも喜ぶべき点です。
とはいうものの、重いバッテリーをリヤのオーバーハングにあるトランク内に置いたのが悔やまれるところですが、そこしにかバッテリーを積む場所が見当たりませんから、こちらも仕方のないことと考えるべきでしょうか・・・。

それから「ホンダ ビート」のエンジンは軽自動車規格の660ccの排気量であり、それも自然吸気のSOHCエンジンです。
決してパワフルとはいえませんが『ホンダ』らしく高回転までスムーズに回る良いフィーリングのエンジンに仕上がっていて、スポーツドライビングを楽しむにはちょうど良いと思えるのではないでしょうか。
自然吸気の小排気量エンジンなので低速トルクの物足りなさだけでなく全域でのパワー不足も感じられることもありますが、それが気になる場合は吸排気系を見直して走り方や好みに合ったチューニングを施せば、きっと満足できるようなレベルに仕上げられることと思いますよ。


この「ホンダ ビート」をベースとして、私の好みに合わせて作り上げたスポーツカーがHE゛AT SPRINTです。
スポーツカーとして必要なチューニング&カスタマイズを実践したクルマですが、なによりも気を遣ったのがボディ剛性を上げながら重心を下げることです。

ステンレス材で作った特注フレームで効果的に補強し、ノーマルの「ホンダ ビート」とは比べものにならないほどのボディ剛性を得ており、低い重心やサーキット仕様のサスペンションのおかげで驚くほどの運動性能を発揮します。
また屋根(幌一式)ばかりではなくフロントガラスをも取り去ることで低重心化を促しているわけですが、その副産物として“軽量化”も果たしています。

その車重は660kg程度で仕上がっていて「ホンダ ビート」よりも100kgほど軽くなっていますが、これはロールバーや補強フレームなどすべてを含めた重量になりますから、実際には100kg以上軽くなっていることになります。
この車重は私にとって不必要なものを一切取り払ってしまったから実現できた結果ですが、エアコンやオーディオばかりではなく内装材やドアまでが消え去っていますから、快適性については皆無というところが辛いところですね。

エンジン性能については普通のビートと大差はありませんが、吸排気系およびECUのチューニングにより、軽い車重と相まってトルクフルな加速を発揮します。
そのフィーリングは誰が乗られても気持ち良いと感じられることと思いますが、普通の「ホンダ ビート」とは少し異なり、驚くほど高いボディ剛性&低重心化が刺激的なスパイスとなって、スポーツカーとしての魅力を引き上げていると思います。


横置きエンジンのミッドシップレイアウトも、軽自動車の規格も、真のスポーツカーを作ることから考えればデメリットIになってしまう要因だったはずですが、なんと日本の自動車史に残る名車と呼べるクルマが誕生したと考えています。
それでもスポーツカーとして考えるとノーマルの「ホンダ ビート」では面白みが足りませんから、ちょっとだけ自分流のスパイス=自分の好みや乗り方・走り方に合わせたチューニング&カスタマイズを加えて乗った方が楽しいと思います。

ミッドシップ・スポーツカーの最大のメリットは“高い運動性能”と“高いトラクション”が得られることだと考えていますが、さらに軽量なボディとコントロールできそうな“そこそこのエンジンパワー”があったならば、純粋なスポーツカーができると思います。
このあたりはコーリンチャップマンが考えたスポーツカー論を実践して生まれた「ロータス ヨーロッパ」と大差はないと思っていますが、ストリートを走るスポーツカーとしては十分であり、庶民には理想的なパッケージングだと思いますよ。

ただし、ミッドシップ・スポーツカーの最大のデメリットは“運転の難しさ”にあることを忘れてはいけません。
スポーツカーらしいシャープさやダイレクトさを得ることは、それまでよりも運転を難しくすることにもなりかねませんから、スポーツカーを楽しむためには乗り手である私たちも少なからず進歩していかなければなりませんから、ぜひ安全かつ積極的に走りを楽しんでいただきたいと思っています。

私としては「ホンダ ビート」をスポーツカーとして乗ることをおすすめしていますが、ノーマルで乗っている「ホンダ ビート」であっても、乗り手にとっては“お気に入りのクルマ”であることは間違いありませんから、いつまでも楽しく大切に乗っていただきたいですね。
世間ではチューニング&カスタマイズを“悪”だと考える方もいるようですが、その基本の考え方は“自分に合わせること”ですから、それをちゃんと理解していたならば楽しさが倍増するかも知れませんよ。

憧れの「ロータス ヨーロッパ」に負けないスポーツカーになれるのが、「ホンダ ビート」だと思っています♪[2015.01.31]
HE゙AT DRIVER流/スポーツカーの作り方?!
ビートはもともと良いクルマだと思っていますが、残念ながらスポーツカーだとは思えません。(AZ-1も同じです)
日ごろから本格的に走りを楽しめるスポーツカーとして乗ろうと思うならば、ぜひとも的確なチューニング&カスタマイズを施さなければなりませんし、それとともに自身の手でメンテナンスをしていくことをおすすめしたいですね。

チューニング&カスタマイズというと、大幅なパワーアップや見た目重視のドレスアップや快適装備のオーディオ・カーナビ等の取付けを想像する方もいると思いますが、ここで提案しているのは“走りの性能を高めること”です。
決して必要以上のパフォーマンスを与えようということではなく、あくまでも必要に応じる=乗り手の好みや乗り方・走り方に合わせることを前提として行うことが重要だと考えています。

たとえばエンジン回転数が高くなる走行の多い軽自動車ではエンジンのクーリングに注意しなければなりませんが、ビートのように油温が簡単に限界値を超えてしまう場合はオイルクーラー等の装備を考える必要があります。
またハイグリップタイヤを履いて峠やサーキットでの走りを楽しもうと思っているのであれば、そのタイヤの性能を活かすためにボディやサスペンションにも手を入れておくべきだと考えますが、特にボディへの負担はかなり大きくなる場合がありますからクルマへのダメージを軽減させるためにも目的に合った補強を施す必要があります。それは永く乗り続けるためにも必要な対策のひとつになりますから、ぜひおすすめしたいですね。


【チューニング&カスタマイズ】
エンジンまわりでは吸排気系の見直しとECUのプログラム変更が望ましいと思いますが、それだけでも驚くほど各回転域のパワー&トルクUPが可能になりますから、さらに気持ちの良いエンジンに仕上がると思います。より高い出力を望むのであればエンジン本体に手を入れることもありだと思いますが、速いレースカーではなく楽しめるスポーツカーとして乗るならば耐久性を重視した仕様がおすすめですね。
それから忘れてはいけないのがエンジンマウントのリフレッシュや強化で、既に生産より10年以上経過しているクルマではゴム部品の経年劣化は明らかですから新品等への交換が必要です。エンジンの振動を気にするならば純正部品を選択するのが良いですが、走りの楽しさを優先するのであれば強化品を選択することをおすすめします。エンジンのマウント強化はクルマのレスポンスにさえ影響を及ぼしますから、意外にも効果の高いパーツなんですよ。

先に少し触れましたが、エンジン管理としてクーリングや熱害対策にも気を配りたいものです。近頃のクルマではオイルクーラーが標準装備されていることもあるのですが、ビートには必要不可欠な装備だと思います。おすすめとしてはメンテナンスフリーの水冷式タイプで、それと合わせてサーモスイッチおよびサーモスタットを変えておけばベターだと思いますね。
ハードな走りをされる場合には、さらにラジエターの大型化も考えておきたいところです。

走りを直接的に支えているボディについては補強=剛性UPが必要だと思いますが、それによってタイヤの接地性やクルマのコントロール性だけでなく乗り心地も大幅に向上しますからメリットはかなり大きいんです。ただしその目的を達成するためにはファッション性よりもパフォーマンスを優先して欲しいと思いますので、ぜひとも「マッスルフレーム」を検討していただければと思います。
「マッスルフレーム」はクルマの筋力をアップさせることをイメージした製品で、運動性能の向上はもちろんのことクルマのコントロール性を向上させることができますからスポーツカーとして乗りやすくなると思います。さらにサスペンションの動きを良くすることができますから同じバネレートでも乗り心地が良くなり、足まわりのセッティングも楽になることと思います。

ボディがちゃんと仕上がったならば次はサスペンションに手を入れることをおすすめしていますが、サスペンションについては“そこそこの製品”であれば十分に走りを楽しむことができると思います。とはいうものの昨今ではコストパフォーマンスに優れた製品が多く出回っていて迷うことと思いますが、その方向性の違いは明らかにありますから多少お金がかかることになるかもしれませんが目的に合った製品を選んで欲しいと思います。
クルマの性能を決めてしまうタイヤについても同様で、価格ではなくタイヤの方向性を重視して選ぶことをおすすめしたいのですが、もしもホイールも一緒に変えてしまおうと考えているのであればさらにじっくりと検討して欲しいと思いますね。ただしホイールについては、デザインとサイズを優先して決めていただいても後悔はしないと思いますよ。

コクピットまわりは雰囲気だけではなく使い勝手を重視して手を入れて欲しいのですが、こだわって欲しいポイントとしては何よりも“ドライビングしやすい環境を作ること”です。ステアリングやシート・シートベルトといったパーツ選択も大切ですが、操作しやすいドライビングポジションにすることを目的にして欲しいと思います。

【メンテナンス】
“洗車は整備の基本”といわれているように、クルマを丁寧に洗おうとすれば目を近づけて作業をすることになりますから普段は気づかないようなことに気づくチャンスが訪れます。そうすればクルマの異常を早期に発見できることにもなりますから整備の基本ともいえますが、洗車ばかりをするわけにもいきませんから日ごろからチェックすることを心がけたいですね。
特に気にしなければならないのはボディ以外(エンジンやサスペンションなど)だったりしますから、洗車というよりも『雑巾がけ』をするつもりで“クルマをキレイにしながらチェックする”ことを考えていただいた方が良いかなと思います。

エンジンおよびミッションのメンテナンスではオイル交換およびフィルター交換等が大切で、走行距離や経過時間だけでなく走行状態をも考慮に入れて現状に合ったケアをして欲しいですね。エンジンオイルもミッションオイルも定期的に交換すべきですが、忘れがちになるのがミッションオイルの交換です。オイルフィルターを持たないミッションだけにエンジンオイル交換2回に対して1回程度の割合で交換することをおすすめしたいですし、「マグネットドレンボルト」を有効に活用していただくと良いと思います。
それからエアクリーナーエレメントの交換(洗浄等を含む)も忘れずに行って欲しいと思いますが、こちらは性能を維持することにつながりますがトラブルの予防にもなりますので定期的に実施したいですね。

エンジンまわりについては異常が無いことを確認するだけで良いと思いますが、経年劣化が考えられる部品(ゴム製品など)については見た目だけにとらわれずに積極的に交換していくことをおすすめいたします。そのついでにチューニング&カスタマイズを考えてゆけば余計な費用を抑えられることにもつながりますから、悪くないと思いますが・・・。
もしも異常が見られた場合には早めに処置をすることが一番の解決方法になりますから、まずは専門の方たちの声を聞きに行くことをおすすめいたします。

ボディやサスペンションまわりのチェックは少し大掛かりになりますが、たまにはガレージジャッキとリジットラックでクルマを固定させてじっくりと見ていただきたいと思います。こういうときは時間と心に余裕を作っていただいて実践して欲しいですね。
工具等が無くて自分ではできない場合は整備工場等に持ち込んでチェックしていただくのも悪くないと思いますが、隅々までチェックするのは時間がかかる=費用が心配(負担が増える)になりますし、何よりも自分のクルマは自分でチェックした方が楽しいと思いますから面倒でもメンテナンスを覚える方が良いかも知れませんよ。



上記を読んでいただければわかるように、チューニング&カスタマイズの目的は“向上と予防”にあり、メンテナンスの目的は“予防と延命”にあります。
共通するキーワードは“予防”ということになりますが、愛車をスポーツカーとして楽しく永く乗り続けていくために必要なことだと考えていただければ幸いです。

ここに書かれている他にもいろいろと提案したいことはありますが、それは乗り手の好みや乗り方・走り方や予算に合わせておいおい提案させていただくことにしますので、お気軽に連絡をいただければ相談に乗らせていただこうと思います。
SHOPの人間としてだけではなく、1人の“ビート乗り(スポーツカー乗り)”としても、喜んでご協力をさせていただきますよ。

私の主観的な意見ばかりですが、スポーツカーの大好きな皆さんにもっと楽しんでいただきたいですね♪[2009.09.27]
※スポーツカーの魅力は、やはり“乗って楽しいこと”でしょうか・・・?!